世界的な外食企業を目指す巨大企業「ゼンショー」
株式会社ゼンショーホールディングス は国内では外食最大手であり、世界展開にも力を入れている巨大企業。連結での売上は6000億円以上、店舗数は9700を超え、従業員数は13万人以上という巨大企業です。そんな大企業なのに知らないという人は意外に多いのではないでしょうか。でも、牛丼チェーンのすき屋やなか卯、ファミレスのビッグボーイにココス、そして回転すしのはま寿司といったブランドであればご存知の方も多いはず。これらのブランドはすべてゼンショーが手掛けている飲食店なのです。他にも有名なところではジョリーパスタ、華屋与兵衛、和食よへい、モリバコーヒーなどもすべてゼンショーのお店です。メインとなるのは、こうした外食事業ですが、他にも地域に強みをもったスーパーを運営する小売事業、そして高齢者住宅などの介護事業も手掛けています。
外食事業を手掛ける国内大手企業の多くは、海外市場を狙っていますがゼンショーも同様で、現在では12か国に展開しており、海外の外食企業の買収も行っています。2018年にはアメリカの持ち帰り寿司チェーン企業であるアドバンスド・フレッシュ・コンセプツ(AFC)を288億円で買収。北米を中心とした中食事業のシェア獲得に向けても投資を行うなど、食に関するビジネスにおいて国内の同業他社を大きく上回る積極性を見せています。
売上は右肩上がりで2020年の予想は6500億円超。利益率は微減で国内店舗数も横ばいで海外展開を急ぐ
巨大外食企業であるゼンショーの直近の決算数字は以下の通りとなっていますが、売上は順調に増加も採用コストの増大に加えて人件費の高騰など悪条件も重なってきており、利益率は減少しています。国内の店舗数も横ばいが続いており海外事業の比率をこれまで以上に高めていく戦略で、本気の海外マーケット攻略を狙った活動が目立ちます。
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | |
2015年3月期 | 511,810 | 2,498 | 2,875 | -11,138 |
2016年3月期 | 525,709 | 12,113 | 11,380 | 4,026 |
2017年3月期 | 544,028 | 18,775 | 18,061 | 8,443 |
2018年3月期 | 579,108 | 17,611 | 17,656 | 8,001 |
2019年3月期 | 607,679 | 18,834 | 18,211 | 9,924 |
2020年3月期(予想) | 657,000 | 22,000 | 20,300 | 9,600 |
*単位:100万円
ゼンショーの歴史と特徴
ゼンショーは1982年にスタートした会社で、当初は弁当事業からはじまり、同年11月に牛丼チェーンの代名詞になるまでに育ったすき家を開店。1999年に上場をはたし、翌年の2000年にココスを買収。ここから多数の企業買収(M&A)を行い、様々な外食チェーンブランドや 店舗設備、食材調達等の会社をグループとし、外食市場で際立った企業となっていきます。2002年には回転すしチェーンのはま寿司を開店し、現在までに回転すし業界でのトップブランドにまで育て上げます。外食以外にもスーパーなどの買収にも積極的で、現在では売上の14%ほどは小売事業が占めるまでになっています。
企業としての特徴のひとつと上げられるものとして創業家一族の存在があります。経営は小川一族の色が強く、現在でもそれは続いています。